iDeCoを利用している会社員が上限額を試算するときは、年間掛金の確認と社会保険料との分け方を先に整理します。掛金は小規模企業共済等掛金控除の対象となるため、同じ給与・家族構成でも、掛金がある場合の寄付の目安は変わります。
源泉徴収票の「内」は合計の一部
「社会保険料等の金額」欄が二段になっているとき、上段の内書は小規模企業共済等掛金、下段はそれを含んだ合計です。当サイトのように社会保険料とiDeCoを別々に入力する画面では、下段の全額を社会保険料に入れると、同じ掛金を二回引くことになります。国税庁の源泉徴収票の記載要領(PDF)でも、合計額のうち掛金額を内書する形式が示されています。
入力例:合計100万円、内書12万円の場合
| 確認する数字 | 金額 | 当サイトへの入力 |
|---|---|---|
| 社会保険料等の金額・下段 | 1,000,000円 | 合計額なので、そのまま社会保険料欄に入れない |
| 同欄の内書 | 120,000円 | iDeCo等の年間掛金として120,000円 |
| 合計から内書を差し引いた額 | 880,000円 | 社会保険料として880,000円 |
880,000円+120,000円=1,000,000円と、元の合計に戻ることを確認します。この例では内書の全額がiDeCo掛金で、年末調整に漏れがないものとします。
年の途中で始めた場合の年間額
- 払込証明書や掛金の記録から、寄付する年に支払う掛金を集計します。
- 途中で増額・減額した場合は、それぞれの月数を掛けて合算します。12か月分を払っていない年に「現在の月額×12」としないようにします。
- 源泉徴収票を使う場合は、その掛金が年末調整に反映済みか確認します。未反映の掛金は証明書と突き合わせて別に整理します。
例えば1〜6月に月1万円、7〜12月に月2万円を実際に支払う予定なら、年間掛金の見込みは18万円です。過去に積み立てた年金資産の移換額や運用評価額は、この年の掛金には加えません。
上限額への影響は、前提をそろえて比べる
年間掛金が12万円増えると、他の条件が同じなら住民税の課税所得も12万円下がります。ここで住民税の税率を10%、調整控除の変化なし、ふるさと納税の特例分の割合を79.79%と仮定すると、上限額の減少目安は次のように追えます。
120,000円 × 10% × 20% ÷ 79.79% ≒ 3,008円
これは計算式の動きを見るための例です。79.79%は所得税相当の税率10%に復興特別所得税を加味した場合の割合です。税率区分が変わる場合、課税所得が小さい場合、他の控除が動く場合には、この比例計算は使えません。式の前提は計算方法と対応範囲で確認できます。
実際に比較するときは、給与や社会保険料を同じ値にしたまま、掛金だけを変えて結果を見ます。給与年収だけから「必ず数千円下がる」と決めることはできません。
2026年の計算機で再現する比較例
給与年収500万円、社会保険料75万円を実額入力し、配偶者・扶養・生命保険・地震保険・医療費などの控除はなしとします。iDeCo等の年間掛金だけを0円から276,000円に変えます。
| 計算項目 | 掛金なし | 掛金276,000円 |
|---|---|---|
| 給与所得 | 3,560,000円 | 3,560,000円 |
| 所得税の課税所得 | 1,770,000円 | 1,494,000円 |
| 住民税の課税所得 | 2,380,000円 | 2,104,000円 |
| 住民税の特例控除の限度 | 47,100円 | 41,580円 |
| 寄付の上限目安 | 57,480円 | 50,978円 |
この条件では目安の差は6,502円です。両方とも計算用税率5%・住民税の調整控除2,500円としており、2026年10月7日時点の当サイトの計算結果で確認できます。上の79.79%の例とは税率の前提が異なります。表示額は住民税の特例分から逆算する概算で、実際の還付や自己負担を確定する額ではありません。
企業型DCは、誰が拠出した金額かを確認
| 書類にある金額 | 入力前の扱い |
|---|---|
| 本人が支払ったiDeCo掛金 | その年の控除対象掛金として集計 |
| 企業型DCの本人掛金(マッチング拠出) | 小規模企業共済等掛金控除の対象。源泉徴収票の内書も確認 |
| 企業型DCの事業主掛金 | 本人が支払う掛金として、給与額から追加で差し引かない |
本人掛金の控除の根拠は国税庁「小規模企業共済等掛金控除」で確認できます。選択制DCなどで給与額自体が変わる場合は、勤務先の給与明細・源泉徴収票に反映された課税給与を使ってください。掛金の上限や加入条件の判定は、この計算ツールでは行いません。
寄付前に残す確認メモ
- 見積もった年と、源泉徴収票の年が一致しているか。前年の書類は今年の増減を確認するための参考資料です。
- 社会保険料と掛金の合計が、書類上の金額と合うか。
- 掛金を年末調整で扱うか、確定申告で扱うか。確定申告をする場合はふるさと納税分も申告する手順を確認します。
参照した一次情報
制度の説明は以下の公的情報を2026年10月7日に確認して更新しました。数値例は、本文に明示した仮定による当サイトの計算例です。個別の控除額・申告要否は税務署や住所地の市区町村に確認してください。